漆喰のはなし その2

12月6日に漆喰はどうして固まるの?というお話をしました。

今日は漆喰の特性のはなし。

漆喰は様々な利点を持つ優秀な素材ですが、昔から重宝されてきたのが耐火性。

古い蔵を拝見すると漆喰で壁から窓回りまで塗り込めたものがよくあります。

これは火から大事な財産を守るためです。

古くから残る京都の町家は、奥に細長い敷地に建てられているものが多く、いわゆるうなぎの寝床のような形状をしています。

そしてその片側には通り庭のような土間をしつらえていて、玄関から奥の庭まで通りぬけることができます。

この部分はよく台所として使われており、天井が2層に吹き抜けていて、薪の煙や熱気が上に抜けていくように工夫されています。

この部分を火袋と呼んでいますが、仕上げは漆喰が多く見受けられます。

もしも火がここから出ても、2階の部屋などに燃え移らない、あるいは延焼を遅らせるために不燃材である漆喰を用いています。

高窓から障子越しに外光が入るこの空間、木で仕上げるよりも白の漆喰のほうが明るいということもあるかもしれません。

空間の作り方、使い方、仕上げ材量の選び方、昔の職人さんたちの知恵はすごいですね!